2023年2月2日 ベルリン ― デスクトップ生産性向上のための自由なオフィスソフト のボランティアサポート版「LibreOffice 7.5 Community」が新しくメジャーリリース され、ダウンロード可能になりました。 Windows版 (IntelおよびArmプロセッサ)、 macOS版 (AppleおよびIntelプロセッサ)、Linux版は、以下より入手することができます。 https://ja.libreoffice.org/download/ 主な新機能 全般 * ダークモードのサポートが大幅に改善 * 新しいアプリケーションアイコンとMIMEタイプアイコンで、よりカラフルで鮮やかに * スタートセンターで、文書タイプによるフィルターが可能に * シングルツールバーUIの改良版が実装 * PDFエクスポートが、いくつかの修正と新しいオプション、新機能により改善 * macOS版でフォント埋め込みがサポートされるように * フォント設定のダイアログでいくつかのオプションが追加されて改善 * マクロエディタの右下にズームスライダーを追加 Writer * ブックマークが大幅に改善され、より見やすく * オブジェクトを装飾要素として明示可能となり、アクセシビリティが向上 * コンテンツコントロールに新しいタイプが追加され、PDFフォームの品質が向上 * 自動アクセシビリティチェックのオプションを[ツール]メニューに追加 * DeepL翻訳APIを利用した機械翻訳が利用可能に * スペルチェックで複数の改善 Calc * グラフ内でのデータテーブル表示がサポートされるように * 関数ウィザードで、説明文の検索が可能に * 数値書式に「スペルアウト」が追加 * 条件付き書式設定の条件で、大文字と小文字を区別しないように * 先頭にシングルクォート(‘)を用いた数字入力の動作を修正 ImpressとDraw * 表スタイルに新しいセットが追加、また独自の表スタイルの作成が可能に * 表スタイルをカスタマイズして、マスター要素として保存してエクスポートが可能に * ナビゲーター上でドラッグアンドドロップによるオブジェクトの移動が可能に * スライドに挿入されたビデオをトリミングして再生できるように * プレゼンターコンソールは、全画面表示だけでなく通常の状態でも利用できるように LibreOffice 7.5 Communityの主な新機能をまとめた動画がこちらからご覧いただけます。 * YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=ZlAmjIwUvs4 * PeerTube: https://peertube.opencloud.lu/w/of24ezgA4ytWDpHWevGPiF すべての新機能の説明はリリースノート[1]をご覧ください。 Microsoft Officeとの相互運用性 デスクトップ、モバイル、クラウドでの個人の生産性を高めるLibreOffice Technology プラットフォームの特徴的な機能をベースに作られたLibreOffice 7.5は、MS Officeと ドキュメントを共有するユーザーやMS Officeから移行するユーザーを対象に、 多くの改善と新機能を提供します。これらのユーザーは、定期的にLibreOfficeの 新しいリリースを確認されることをお勧めします。LibreOfficeの進歩は非常に速く、 新しいバージョンは以前のバージョンよりも大幅に改善しているからです。 LibreOfficeは、オフィスソフトの世界で最高レベルの互換性を提供しています。 セキュリティや堅牢性の面で独自ファイル形式よりも優れたオープンドキュメント 形式(ODF)のネイティブでサポート、MS Officeファイルのよりよいサポート、 多数の古いドキュメント形式を利用するためのフィルターなどにより、ファイルの 所有権とコントロールをユーザーに取り戻します。 Microsoft Officeが使用するファイル形式は、国際標準化機構(ISO)承認の標準規格 ではなく、ISOが2008年4月に非推奨にした独自の形式に基づいているため、多くの 意図的な複雑さが隠されています。このことは、本物のオープンスタンダードである 「オープンドキュメント形式」(ODF)を採用しているLibreOfficeにとって、大きな 障害となります。 LibreOffice 7.5 Communityへの貢献者 LibreOffice 7.5 Communityの新機能は144人の貢献者によって開発されました。 ソースコードへの貢献の63%は、TDFのアドバイザリーボードに参加するCollabora、 Red Hat、allotropiaの3社やその他の組織に所属する47人の開発者によるものであり、 12%はThe Document Foundationに所属する6人の開発者によるもので、残り25%は 91人の個人ボランティアによるものでした。 他にも、112名のボランティアが数百人のローカライズに取り組む人々を代表し158言語 で翻訳をコミットしました。LibreOffice 7.5 Communityは、他のどのオープンソース ソフトウェアや独占的ソフトウェアよりも多い120の言語でリリースされており、 世界中で54億人以上の人々が母語(L1)で利用できます。また、23億人以上の人々が それら120言語のうち1つを第2言語(L2)として使用しています。 企業向けLibreOffice TDFは、企業・団体へのLibreOffice導入について、エコシステムパートナーが提供 する特別な付加価値を多数含んだ、LibreOffice Enterpriseファミリー(デスク トップ、モバイル、クラウド向け)の導入を強く推奨します。これらには、多くの 特典が含まれ、他にもサービスレベル契約(SLA)などのメリットがあります。 https://ja.libreoffice.org/download/libreoffice-in-business/ エコシステム企業が顧客のために開発したすべてのプログラムはマスターリポジトリで コミュニティと共有され、LibreOffice Technologyプラットフォームを改善します。 LibreOffice Technologyをベースにした製品は、Windows、macOS、Linux、Chrome OS の主要デスクトップOSをはじめ、AndroidやiOSのモバイルプラットフォーム、クラウド にも提供されています。プラットフォームの開発を遅らせることは、ユーザーに悪影響 を与え、LibreOfficeプロジェクトがその期待や発展性を満たせなくなる恐れがあります。 LibreOfficeへの移行 The Document Foundationは、独占的なオフィスソフトからLibreOfficeに移行する 企業・団体をサポートするために移行プロトコルを開発しました。このプロトコルは、 LibreOffice EnterpriseファミリーのLTS版導入を前提としています。それに加え、 認定専門家により提供される移行コンサルティングとトレーニングがあります。 参考: https://ja.libreoffice.org/get-help/professional-support/ 実際、LibreOfficeには成熟したプログラムコード、豊富な機能、オープンスタン ダードに対する強力なサポート、優れた相互運用性、そして認定パートナーによる 長期サポート(LTS)オプションがあります。データのコントロールを取り戻して ベンダーロックインからの開放を望む企業にとってLibreOfficeは理想的なソリュ ーションです。 LibreOffice 7.5 Communityの利用について LibreOffice 7.5 Communityは以下から利用可能です。 https://ja.libreoffice.org/download/ 商用OSの最小要件は、Microsoft Windows 7 SP1とApple macOS 10.14です。 LibreOffice TechnologyをベースとしたAndroidとiOS向けの製品についてはこちら をご覧ください。 https://ja.libreoffice.org/download/libreoffice-for-android-and-ios/ 最新の機能を必要とせず、テストとバグ修正が行なわれたリリースが必要な方のために、 The Document FoundationではLibreOffice 7.4ファミリーを保守しています。 それには、数カ月の間に後方移植された修正が含まれています。現在のバージョンは、 LibreOffice 7.4.5です。 The Document Foundationは、ユーザー向けの技術サポートは提供していませんが、 メーリングリストや質問掲示板のAsk LibreOfficeに質問を投稿して、他のユーザー からのサポートを受けられます。 https://ask.libreoffice.org/c/japanese/16 LibreOfficeユーザー、自由ソフトウエアを支持する方、コミュニティメンバーは 寄付してThe Document Foundationを金銭面からサポートできます。 https://ja.libreoffice.org/donate [1] リリースノート: https://wiki.documentfoundation.org/ReleaseNotes/7.5 プレスキット ダウンロードリンク: https://nextcloud.documentfoundation.org/s/C9aDx4rka6HeDb6 日本でのお問い合わせ先 LibreOfficeに関する日本語でのお問い合わせについては、LibreOffice日本語チーム <ja-contact@libreoffice.org> までお問い合わせください。(担当: 榎 真治/目黒 純) このプレスリリースは、LibreOffice日本語チームと田中秀宗さん、なみかわみさきさん の協力により翻訳されました。 Blog記事: https://ja.blog.documentfoundation.org/2023/02/03/tdf-announces-libreoffice-75-community/ -- Unsubscribe instructions: E-mail to announce+unsubscribe@ja.libreoffice.org List archive: https://listarchives.libreoffice.org/ja/announce/